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マグロ散ル、水蒸気の朝に。

原発牛乳がマグロとは特に関係の無い話をたまに書きます。

肉の話


私は4月よりダイエットをしている。
ダイエットのきっかけは、彼氏に

「ともちゃん(私)ってタヌキに似てるね!」

と言われたためである。
何でや…タヌキ可愛いやんけ…と思いながらタヌキを画像検索し彼氏に見せたところ

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「違うこれじゃない、置物のやつ」
と言われたので信楽焼のタヌキを画像検索しておそるおそる彼氏に見せた。

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「そうそう!これこれ!そっくりじゃん!」
そう彼氏は嬉しそうに笑いながら私の腹の肉をつまんだ。

4月当時、私の体重は冬の寒さで蓄えた脂肪のため激増していた。
私の身長は154cm。
この頃の体重は48kgを超え、体脂肪率は23%前後。
しかし私は高校時代に腹筋をアホのように鍛えまくったため、腹は別にぶよぶよではないし、むしろ腹筋はガチガチに硬いし、脚は多少太いが普通体型の域であった(と思い込んでいた)。
そんな私に

「タヌキみたいだね!(悪意の無い微笑み)」

と投げ付けられた彼氏の言葉はカルチャーショックに近いものがあった。

この?私が?信楽焼の?タヌキ?どこが?こんなに腹出てないですけど?

という気持ちが強かったのだが、無性に悔しくなって
「42(kg)になるわ…」
とうっかり呟いてしまった。

なぜ42kgという中途半端な数字なのかというと、19歳の時、私に訪れた唯一の拒食期においてでも到達出来なかった数字が42kgなのであった。
当時は最低でも43.○kg止まりだったと思う。
最後に42kgという数字を見たのは20年ほど前のことである。
その後中学生の時にピークの58kgまで増量するのだが、それ以降のダイエット人生については以前書いた(気がする)ので割愛したいと思う。
だからこそ私は「42」という数字に対し昔から執着心が強く、「いつかは42kg」とキャッチコピーのように心に抱きながらダイエット人生を歩んで来たわけである。

あれから約3ヶ月、私は走ったり泳いだり腹筋ローラーを買ってコロコロしたりした結果、念願の42kg台に突入することが出来た。

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(本当は42.4kgがここ3ヶ月間の最低体重なのだが写真を撮っていなかった)

体脂肪率は18%まで下がった。
もともと運動能力は皆無だが体力だけは有り余っているのだ。
食事制限だけではすぐにリバウンドしてしまうこともこの20年余りのダイエット人生で学んだ私は、「運動をして痩せる」という基本中の基本にかえってダイエットを敢行した(詳しい方法はダイエットが全て完結したらブログに書くね)。

その結果3ヶ月でマイナス6kg弱、やれば出来るじゃん!と私は私を褒め讃えた。
しかし42kgという数字を切るまでは油断は出来ない…
最終目標はどんだけ食べても42kgを超えない40kg前後だな…
そう思っていた今週の終盤あたり、私の頭の中は肉で満たされていた。

肉が食べたい。
肉が食べたい…
肉が!!食べたい!!!
肉が食いたいんじゃーーーー!!!!

何故そう思ったのかは定かではない。
最近私は平日の仕事がある日は炭水化物を制限し、休みで予定の無い日は飲み物のみで過ごす断食をしていた。
いきなり食事制限がキツくなっとるやんけ、と思うなかれ、断食をしても体重は別に大して減らない。
若干減るくらいだ。
それなのに何故断食をするのかというと、断食をすると睡眠欲以外の欲が薄くなり、例え何の味もしないただの白湯でも本当に美味しく感じるのだ。
そして胃腸が休まり、体内の機能がリセットされる(気がする)。
そのため断食をしていたのだが、3回目の断食の時、うっかり欲望に負けて固形物を口にしてしまった。

思い返せばそこが発端である気がしてならない。
一度甘やかしたが最後、私の体は今まで抑圧されていた欲が爆発し、

肉が食いたい!!!!!

と思ったのかも知れない。
もともと私は自分に甘い性格である。
体重も42kg台に突入したし少しくらいなら食べても大丈夫だろう。
そう思い、休みである今日の土曜日、娘と肉を食べに行く計画を立てた。
(ここまでが前置きである)


昨晩、私は1時頃床に就いた。
頭の中は肉のことでいっぱいであった。
12時間後の私は肉をいっぱい食べてめちゃくちゃ幸せな気分なんだろうな〜早く肉食べたいな〜こんなに肉のことを考えていたら肉の夢を見てしまいそうだな〜などと呑気なことを考えていた。

そして1時間半後…
私は得体の知れない胃の気持ち悪さで目を覚ますこととなる。

iPhoneの時計を確認するとまだ2時半であった。
眠ってから1時間半しか経っていないのに、一体何が起きたのかわからなかった。
胃が…もやもやしている…
何だろうこれは…
例えるなら胃もたれのような、つわりのような、とにかくもやもやした感じ。
体の中心の空っぽの部分におっさんの臭い息をパンパンに吹き込まれた感じ、と言えば伝わるだろうか。

私は事態を把握するために一旦起き上がり、トイレに向かった。
放尿しながら寝起きの頭をフル回転させ考える。

そうだ、吐けばいいんだ…!

気持ちが悪けりゃ吐けばいい。
変に頭はすっきりしていた。
私は27歳まで約10年間過食嘔吐を繰り返していたが、それ以降殆ど吐いたことはなかった。
久々に便器を抱え、喉奥に指を突っ込む。
しかし鼻水とよだれ以外何も出ない。

何度かえずいたのち気が付いた。
そういえば晩ごはん(18時半頃)のあとから何も食べてない。
何も出ないのは当たり前だ。
鼻水とよだれでドロドロになった顔を洗い、まだもやもやしたままの胃を抱えて私は布団に戻った。

このままでは眠れない。
吐いても出ない。
なんかこれつわりみたいだな…
そう思った瞬間私は思い出した。
私は娘を妊娠していた時もそんなにつわりがひどい方ではなかったが、どちらかと言えば吐くよりも食べづわりの方で、胃の気持ち悪さも何かを口にすれば少しは和らいだものであった。

そうだ、出せないなら入れればいい…!

私は台所に向かい冷蔵庫を開けると、手始めに目に飛び込んできたグレープフルーツジュースを飲んだ。
なんかこう、さっぱりした感じがするじゃないですか。
グレープフルーツって。

しかしそこまでさっぱりはしなかったため、時間も時間だしヨーグルトを食べることにした。
深夜にカロリーのあるものを摂取するなんて、ここ数年ずっとしていなかったことだった。
だが背に腹は代えられぬ…
365gのヨーグルトを半分ほどを胃に入れた。
ヨーグルトはうまい。
この世で一番好きな食べ物はもしかしたらヨーグルトかも知れない。
でもなーんも変わりゃしねえ…

私の胃袋は依然おっさんの臭い息で充満した感じが続いていた。
何か良くない病気だろうか。
まあ、とりあえず寝るか。
そして私はなるべくやめようと思っている(思うだけ)マイスリーを放り込み、再び布団に横になった。

胃がぐるぐるする中で私は考えていた。
ここ数ヶ月の間、胃にはストレスばかり掛けていた。
きっともっと食べたい日もあっただろう。
それなのに無理矢理量を減らし、お腹が空いたよ…とキュルキュル音を立てて泣かせてしまったことも多々あった。
そんな中、胃はようやくこの食事量に慣れて来たのだ。
しかし突然湧き上がった「肉が食べたい」という欲望のせいで、胃は不安になってしまった。
久しく肉など食べていないのに、果たして肉をちゃんと消化出来るだろうか…
現在の自分の力量で間に合うのだろうか…と。
そして胃は練習をすることにした。
私は呑気に肉のことばかり考えているため、胃は空っぽでも消化液を出すことは容易であった。

胃「よし!これで明日もきっと大丈夫だ!」
私「なんか肉食ってもいないのに気持ち悪い」

その結果がこの気持ち悪さなのである。
想像妊娠ならぬ想像焼肉である。
私は自分を想像力に長けた人間だと思ってはいたが、ここまでの力を持っているとは思わなかった。
私はマイスリーの力で無理矢理シャットダウンされる世界の中で、起きたらこのもやもやが無くなっているといいな…と思った。


そして朝、目が覚めたのは8時前であった。
胃の調子は相変わらずもやもやしていた。
一向に良くなる気配も無いため、今日は肉を諦めた方が良いのかとも考えた。
しかしここまで胃を翻弄しておいて結局食べないというのも胃に不義理過ぎないだろうか。
どうせ気持ち悪くなるのなら、腹いっぱい食べさせてから気持ち悪くしてあげたい。
そう思った私は予定通り肉を食べに行った。
近所の焼肉屋(チェーン店)はランチ営業はしていないので、少し離れたところまで車を走らせた。

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肉はうまい…………

タン塩、カルビ、鶏セセリ、イカ、ウィンナー、玉子スープ、鮭おにぎり、そしてデザートバー。
腹いっぱい食べた。
焼肉屋を出る頃には、私の胃のもやもやは無くなっていた。
成仏出来ずに胃袋で引っかかっていた肉の亡霊がようやく成仏出来たようだった。


そして帰宅し体重計に乗った私を待ち受けていたのは、増加した体重であった。
家を出る時に43kgジャストであった体重が、44.5kgまで増えている!!!
でも肉を食べたい欲求は満たされたし、罪悪感はそんなに湧かなかった。
明日は胃にやさしいものを食べよう。